粥を3人で食べ終わり、家に戻って茶を用意した。
「これからどうするつもりですか、銀狐様。」
大変な事になった。妖かしと村の人にばれれば大惨事だ。隠し通さねばならない。
「一緒に住むのだろう?それ以上でも以下でもない。」
相手のどうでもいいような態度には少々肝を冷やす。
「とはいえど、貴方様は神使でございましょう?私のような者と居ても良いのですか?」
「あぁ。」
どことなく嬉しそうだ。何だか嫌気が差してきた。
「体調はどうですか?」
「もう問題ない。」
「……もう一度聞きますが何故このようなところへ?」
「……嫁を探しにな。」
「嫁がいるのに私に結婚の申し出を?…呆れた神使ですね。」
それとも、妖かしは皆そうなのか?
「そういう事ではない。お前は何処か抜けているな。」
「そんなことございません。」
真剣に答えたつもりだが、笑いだした。
イマイチツボがわからない。
「私と結婚してくれる相手を探しているのだ。」
「…妖かしは妖かしとしか結ばれないのでは?」
「私は神使であろう。神使は普通の妖かしでも人間でも駄目なのだ。」
「私も普通の女ですが?」
「お前…自分の力を知らないのか?」
「……え?」
力?私は普通の人間だ。巫女であるが特別な力など持ち合わせていない。
「まぁいい。とりあえず、世話になる。」
「はい。」
疑問が尽きず、結果眠ることができずに一晩明けたのだった。