レッドアゲート

「ある日突然、勇者として選ばれた少年少女。
しかし世界の敵である魔王によって世界は危機に陥っていた!そんな中、ある少年は偶然にも女神と出会い......!?」 この物語は、そんな少年が繰り広げるラブロマンスを描いたものとなっている。 主人公である勇者の名前は書かれておらず不明となっており、その正体に迫ることはできず謎も多いが、実は全ての始まりと言われている女神の名前が書かれているという...!? そしてもう1人の少年の名前が書かれている部分だが...こちらは既に判明している為、そちらを先に読むことを勧めたい―――『???』
恋するメトロノーム - 第2話 ドキドキデートの始まり! - ハーメルンッ
『まもなく○○駅~○○駅です。お降りの方はお急ぎください』
アナウンスの声を聞いて慌てて席から立ち上がる。電車の中も人がいっぱいで、降りるときに転ばないように注意しながら出口へと歩いていく。なんとかドアが開く前に間に合った僕はほっと息を吐きながら外に出た。
今日は待ちに待った休日だ!
今日はずっと楽しみにしていた幼馴染みの女の子と出かける日なのだ!しかもそれが楽しみすぎて一時間ほど前から待ち合わせの場所に到着してから一時間近く待っているのだッ!!僕だって男の子なんだから女の子との待ち合わせにはちゃんと時間を守りたいけど、それでもこうして今かまだかと待つ時間はワクワクして仕方ないのだ。
「...やっと来たな、我が盟友」 そんなことを考えながら駅のホームで待っていた僕の背後から聞こえてきた声。振り返るとそこには一人の少女が立っていた。腰まで伸びた黒い長髪と紅い瞳を持つ綺麗な容姿をしている少女は少し呆れたような表情を浮かべていた。
「おはよう、白銀さん!」「......あぁ」 彼女の名前は白銀小雪《しろがねこゆき》ちゃんと言って僕と同い年の小学二年生だ。彼女との出会いは少し変わったもので、僕が初めて彼女と出会ったのは今から約四年前...僕が両親と共に隣町へ引っ越してきてすぐの事だった。その時仲良くなったのがきっかけで僕たちはすぐに打ち解けて、今では親友同士になっているのだ。彼女は人見知りなのであまり自分から人と喋ることはないんだけど、その分一度心を許せばとても懐いてくれるので僕にとってはとても可愛らしい存在なのである。 「ごめんね、待たせちゃったかな?」「いや?私が早く来すぎただけだ気にするな」「そっかぁ...」 彼女にそう言われて内心ちょっと落ち込む。でもまぁ今回は僕が勝手に待ってしまっただけだから彼女を責めることはできないし、それにこれ以上言うと不機嫌になってしまうかもしれないので何も言わないことにしよう。それにしても本当に今日はいつにも増して機嫌が悪い気がするなぁ。何かあったのかな......?
「どうかしたのか?」「......べっつにー」 そんなことを考えているうちに彼女が顔を覗き込んできた。心なしかその頬は膨れているような気がする。これは明らかに怒っている時の表情だろう......だけどなんで怒ってるのかがわからないんだよなぁ。僕何かしちゃったかなぁ...?「ごめんって...どうしたら許してくれる......?」「......」 恐る恐る聞いてみるとすぐに答えてくれた。「......じゃあ今度私と出かけろそれで許してやる」 そう言った途端ぷいっと顔を逸らしてしまった。どうやら正解のようだ。よかったぁ......でもそれってつまりデートってことだよね......?え!?どうしよう......!全然考えてなかったぞ!ていうかこれってokを貰ったってことで良いんだよね!?だとしたらどこに行こうかなぁ......!二人で楽しく遊べる場所が良いよね?そうなると遊園地や映画館とかになるのかな?...よし、決めたっ!!せっかくだし新しい服を買ってあげようじゃないか!!!そうと決まれば早速準備しないとっ!!「......おい待て盟友よなぜ私を連れて行く前提なのだ」「あれぇ...?」 なんだか急にやる気が失せた様子の彼女。というか行くことが確定してるの......?なんでさ......「......まったくこの阿呆め。少しは考えんか......」「......はい」 何故かお説教されてしまった。解せぬ。その後一緒に支度をして家を出てから待ち合わせの場所に向かうと、そこはまるで戦場のような騒々しさに満ち溢れていた。何事かと思い辺りを見回してみると、人だかりの中心には一人の男が立っていた。彼の名は"海神
龍我《かいじんりゅうが》"僕の父さんで、この街一番の実力を誇る人物らしい。確かに見た目も腕っぷしもかなり強そうでカッコいいけど......あの人のどこが凄いんだろう?父さんなんていつも部屋でゴロゴロしてるだけなのに......。「お父さんだ!」
そう言って嬉しそうに抱きつく彼女の手を引くようにして人混みを掻き分けていく。するとそこにはいつもの優しそうな笑みとは違い獰猛さを孕んだ笑みを浮かべる父の姿があった。そしてそのまま僕に近づいてくるといきなり肩を組んで耳打ちしてきた。「......いいか?お前は私の息子なんだから誰にも