タンジェリンクォーツ
「この物語はフィクションであり、現実のものと一切関係ありません」 (総武高校生徒会役員による) - 1: 転校生 雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣。
【特別編】 1. 葉山隼人が比企谷八幡を奉仕部に呼び出して...... - ンッ!アァッ!↑オゥフゥ! - ンッ!(ズキューン!) 2.
修学旅行で戸部翔が海老名姫菜に告白して玉砕し、翌日三浦優美子が自殺未遂事件を起こすまでのこと。 (前編) 3. 相模南が比企谷小町や一之瀬帆波達に土下座させるまでに至り、4人が雪ノ下陽乃と出会うところまでこと細やかに描く。 (後編)4. 葉山グループが解散した後の話。つまり後日譚2巻以降を書いたものになります。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(略称『八雪』)
【本編完結】もしも雪ノ下雪乃に弟がいたなら - 第5話 - ンと読み書きそつなだけ - ンは使わないので......
【第1章/序幕.真昼のカフェにて】(1)
とある土曜日のお昼過ぎ。ある喫茶店の中で3人の男女がテーブルを囲んでいた。
その内の一人である少女――雪ノ下雪乃が口を開く。「......さて、今日はあなた達を呼んだ理由を説明しましょうか」 彼女がそう言うと彼女の両隣に座っている二人の少年は姿勢を正した。「今日呼んだ理由はね――」 ここで一度言葉を区切ると、ゆっくりと紅茶を口に運ぶ。「――あなたには弟を作って欲しいからよ」「「..................」」 言われた二人は困惑するしか出来なかった。 いや、だって......なあ? どう反応すれば良いんだよ......? 2つ目の理由にしてもさ、なんで姉じゃなくて俺らなんだよ。
*
*
* 千葉県立総武高等学校に通っている比企谷八幡には一つ年下の妹がいる。 名前は比企谷小町。彼女曰く可愛いとのことだが、彼女は重度のシスコンらしい。しかしそんな彼女も今年入学したばかりの一年生だ。そして新入生といえばもう一人――彼と同じ学年に今年度入学してきた一人の男子生徒もいるのだが......まあそれは今語ることでもないだろう。ともあれそんな三人は今まさに昼食をとっているところだった。 ちなみに雪ノ下陽乃は既にこの場から離脱している。彼女も一応この店を利用しているようだが、用事があるようで既に帰ってしまっていた。なので残っているのは雪ノ下兄妹だけだ。「お兄ちゃん、最近よくお姉ちゃんと会うよね」 ふと小町の口から出た言葉に八幡の動きが一瞬止まる。けれどすぐに復帰すると何事もなかったかのように話し始める。「ああそうだな。アイツとも話す機会が多くなってきたからな。この前なんか一緒に買い物に行くことになったくらいだしな」「ふーん......」 なんだか面白くなさそうな様子の小町を見て八幡は思った。あれれぇ~おかしいぞ~? お兄様の様子が明らかにおかしいぞぉ!?「どったん、小町ちゃん?」「なんでもないです!」 慌てて返事をする小町に苦笑しながら食事を続ける八幡。ちなみにこの時の彼らはまだ知らない。この先に待ち構えている運命についてなど――――
*1:原作では一色が勝手に生徒会長になるし由比ヶ浜の誕生日パーティーとかクリスマスイベント等でも奉仕部は関わっているけど雪ノ下家とはあまり接点がないんだよなぁ......
雪ノ下雪乃に弟がいたなら - 第6話 - んはおねえさんだけどお姉さんじゃない人 - ンッン
4月某日――入学式が終わり、学校全体が浮かれムードになっている頃合いだろう。そんな中を俺は自転車で帰宅していた。
なぜそんなことをしているのかといえばただ暇だからだ。別に友達付き合いが悪いというわけではないんだがな......ほら、俺ってボッチじゃん。それに部活や委員会活動にも所属していない。クラス替えが行われたばかりだというのに未だに友達が出来ないままなのだ。これが所謂”陰キャ”という奴なのだろうか......中学の時はそれで良かったんだけど高校デビュー失敗だな!
とりあえず今日は早く帰ることになっているので急いで帰らなければいけない。 いつもは小町と一緒に帰るのだが今日は家の手伝いがあるので遅くなるのだそうだ。なので一人寂しく自転車に乗り帰っているというわけである。べっ、別に悲しくなんてないんだからね!「......はぁ」 思わずため息が出る。小町がいないというのは本当に寂しいものだ。何しろ家では常に二人だったからなぁ......一人でいると余計に寂しさを感じる気がするのである。いやマジで寂しい。もうこのまま一生家に引き篭ろうかと考えるくらいまであるレベルである。流石にそれはまずいよな!
と思って学校に登校したというのにまたぼっちに戻ったわけでありますよ......悲しいねぇ。 そもそも俺が高校に通う理由なんて将来のための投資でしかないのだからその勉強だけやってればよかったんだよ......まさかこんなことになるとは思ってもみなかったからな......まあ今となっては後の祭りなのだが。
「この物語はフィクションであり、現実のものと一切関係ありません」 (総武高校生徒会役員による) - 1: 転校生 雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣。
【特別編】 1. 葉山隼人が比企谷八幡を奉仕部に呼び出して...... - ンッ!アァッ!↑オゥフゥ! - ンッ!(ズキューン!) 2.
修学旅行で戸部翔が海老名姫菜に告白して玉砕し、翌日三浦優美子が自殺未遂事件を起こすまでのこと。 (前編) 3. 相模南が比企谷小町や一之瀬帆波達に土下座させるまでに至り、4人が雪ノ下陽乃と出会うところまでこと細やかに描く。 (後編)4. 葉山グループが解散した後の話。つまり後日譚2巻以降を書いたものになります。
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(略称『八雪』)
【本編完結】もしも雪ノ下雪乃に弟がいたなら - 第5話 - ンと読み書きそつなだけ - ンは使わないので......
【第1章/序幕.真昼のカフェにて】(1)
とある土曜日のお昼過ぎ。ある喫茶店の中で3人の男女がテーブルを囲んでいた。
その内の一人である少女――雪ノ下雪乃が口を開く。「......さて、今日はあなた達を呼んだ理由を説明しましょうか」 彼女がそう言うと彼女の両隣に座っている二人の少年は姿勢を正した。「今日呼んだ理由はね――」 ここで一度言葉を区切ると、ゆっくりと紅茶を口に運ぶ。「――あなたには弟を作って欲しいからよ」「「..................」」 言われた二人は困惑するしか出来なかった。 いや、だって......なあ? どう反応すれば良いんだよ......? 2つ目の理由にしてもさ、なんで姉じゃなくて俺らなんだよ。
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* 千葉県立総武高等学校に通っている比企谷八幡には一つ年下の妹がいる。 名前は比企谷小町。彼女曰く可愛いとのことだが、彼女は重度のシスコンらしい。しかしそんな彼女も今年入学したばかりの一年生だ。そして新入生といえばもう一人――彼と同じ学年に今年度入学してきた一人の男子生徒もいるのだが......まあそれは今語ることでもないだろう。ともあれそんな三人は今まさに昼食をとっているところだった。 ちなみに雪ノ下陽乃は既にこの場から離脱している。彼女も一応この店を利用しているようだが、用事があるようで既に帰ってしまっていた。なので残っているのは雪ノ下兄妹だけだ。「お兄ちゃん、最近よくお姉ちゃんと会うよね」 ふと小町の口から出た言葉に八幡の動きが一瞬止まる。けれどすぐに復帰すると何事もなかったかのように話し始める。「ああそうだな。アイツとも話す機会が多くなってきたからな。この前なんか一緒に買い物に行くことになったくらいだしな」「ふーん......」 なんだか面白くなさそうな様子の小町を見て八幡は思った。あれれぇ~おかしいぞ~? お兄様の様子が明らかにおかしいぞぉ!?「どったん、小町ちゃん?」「なんでもないです!」 慌てて返事をする小町に苦笑しながら食事を続ける八幡。ちなみにこの時の彼らはまだ知らない。この先に待ち構えている運命についてなど――――
*1:原作では一色が勝手に生徒会長になるし由比ヶ浜の誕生日パーティーとかクリスマスイベント等でも奉仕部は関わっているけど雪ノ下家とはあまり接点がないんだよなぁ......
雪ノ下雪乃に弟がいたなら - 第6話 - んはおねえさんだけどお姉さんじゃない人 - ンッン
4月某日――入学式が終わり、学校全体が浮かれムードになっている頃合いだろう。そんな中を俺は自転車で帰宅していた。
なぜそんなことをしているのかといえばただ暇だからだ。別に友達付き合いが悪いというわけではないんだがな......ほら、俺ってボッチじゃん。それに部活や委員会活動にも所属していない。クラス替えが行われたばかりだというのに未だに友達が出来ないままなのだ。これが所謂”陰キャ”という奴なのだろうか......中学の時はそれで良かったんだけど高校デビュー失敗だな!
とりあえず今日は早く帰ることになっているので急いで帰らなければいけない。 いつもは小町と一緒に帰るのだが今日は家の手伝いがあるので遅くなるのだそうだ。なので一人寂しく自転車に乗り帰っているというわけである。べっ、別に悲しくなんてないんだからね!「......はぁ」 思わずため息が出る。小町がいないというのは本当に寂しいものだ。何しろ家では常に二人だったからなぁ......一人でいると余計に寂しさを感じる気がするのである。いやマジで寂しい。もうこのまま一生家に引き篭ろうかと考えるくらいまであるレベルである。流石にそれはまずいよな!
と思って学校に登校したというのにまたぼっちに戻ったわけでありますよ......悲しいねぇ。 そもそも俺が高校に通う理由なんて将来のための投資でしかないのだからその勉強だけやってればよかったんだよ......まさかこんなことになるとは思ってもみなかったからな......まあ今となっては後の祭りなのだが。