俺にも連絡が入り、外来を他の先生に任せて病院中をくまなく探した。

「大我、真由香は屋上にいた」

「えっ」

最上からの連絡で、屋上に急いだ。

「真由香、どうした、危ないからこっちに来い」

俺が屋上に駆けつけた時、思いもよらない状態になっていた。

真由香は病院の屋上の柵を乗り越えていた。

その真由香に必死に声をかけていたのが最上だった。

俺は訳が分からず、でも真由香が危険な状態だということだけはわかり、真由香に近づいた。

「来ないで、それ以上近づいたら飛び降りるから」

「何を言ってるんだ、ちゃんと説明してくれ、真由香」

俺は真由香の言葉に一歩たりとも足が動かなかった。

俺と真由香が話している隙に、最上が真由香に近づいた。

「最上先生もそれ以上近づかないで」

最上もその場に立ち止まった。

最上は真由香に言葉をかけた。

「真由香、お前死にたいのか」

「そんなことないよ、でも私は癌なんでしょ?どうせ死ぬんでしょ」

「誰がそんなこと言ったんだ」