「あれ、ご機嫌斜めなのか、大我はまたキスしてくれなくなったのかな」

「最上先生なんて大っ嫌い」

私は布団の中から叫んだ。

「おい、俺に対して怒ってるのか、それはないぜ、俺は真由香の担当医だぞ」

「最上先生と話したくない、出て行って」
私は布団の中でワンワン泣いた。

「そうかよ、勝手にしろ」

最上先生は病室を出て行った。

誰も悪くない、最上先生は私の病気を一生懸命に治そうとしてくれたのに、ひどいことを言っちゃった。

それから外来も終わり、病院内は静かになった。

そんな時、外来を終えた俺は最上の元を訪れた。

「どうだ、真由香の様子は……」

「分かんねえけど、俺、すっかり嫌われた」

俺は最上の言ってることが理解出来ずにいた。

「大っ嫌い、出て行ってって言われた」

「真由香はどうしたんだろうな」

「分かんねえ、お前が様子見てこいよ」

俺は真由香の病室に向かった。

「真由香、まだ傷口痛むか」

真由香は俺の方に向きを変えて、泣きながら抱きついてきた。