「後で最上が説明にくる、奴に任せておけば大丈夫だ」
「私はやっぱり癌なの、転移したからまた手術が必要なんでしょ」
「違うよ、そうじゃない」
「私がかわいそうだから、すぐ死んじゃうから、結婚してくれたの」
「そんなことはない、真由香を好きだからに決まっているだろう」
「最上先生も俺に治せない病気はないとか言って嘘ばっかり」
そこに最上がやってきた。
「おい、俺は嘘は言ってないぞ」
「最上」
「最上先生の嘘つき、私死んじゃうんでしょ」
「それだけ俺を罵倒する人間がそう簡単に死なねえよ、元気がある証拠だな」
「元気はあるけど……」
「真由香、お前が死んだら大我は他の女と再婚しちゃうぞ」
「おい、最上」
「そんなの嫌だよ」
真由香は泣き出した。
「最上、泣かせてどうするんだ」
「いいか、真由香、本人が生きるって強い意志を見せると、病気の方で退散するんだよ、俺が絶対にお前を助ける、確かにお前の病状は難しい、でもな、大丈夫だ、俺が担当医師でありがたいと思え」