そう言って差し出したのは婚姻届だった。

真由香はサイン済みで、あとは俺がサインするだけになっていた。

真由香はニッコリ微笑んで俺を見つめた。

「真由香にはいつも驚かされてばかりだよ」

「言ったでしょ、大我にはじめて会った時から決めていたって」

俺は躊躇せずに婚姻届にサインをし、役所に提出した。

俺と真由香は夫婦となった。

真由香は早く退院したくて仕方がなかった。

しかし、体調は中々回復の兆しが見えてこない。

俺は最上に真由香の病状を聞くため外科医局を訪れた。

「真由香はどうなんだ、俺は真由香の夫だ、はっきり言ってくれ」

「真由香は気管支拡張症だ」

「気管支拡張症?」

「ああ、気管腫瘍に伴って、症状が現れた、肺の一部にあるので、手術が一番いいと思うぞ」

「そうか、よろしく頼む」
俺は真由香に手術の話をするため、病室に向かった。

「真由香、どうだ体調は」

「大丈夫だよ、早く退院したいんだけど……」

「そうだな、実はもう一回手術が必要なんだ」

「どうして」