「真由香、帰ろう、検査したほうがいいよ」

「いや、もう少し大我と一緒にいたい」

「だって、苦しそうだよ、病院行くぞ」

俺はタクシーで最上総合病院へ向かった。

看護師がストレッチャーで救急処置室に運んでくれた。

「最上先生お願いします」

最上がすぐにきた。

「真由香、どうしたんだ、何があった」

最上は真由香の急変に驚いていた。

そして俺を目視すると「大我、何があったんだ」と俺を睨みつけた。

「今日、休みだったからディズニーランドへ二人で出かけた」

「ディズニーランド?」

「俺の手を引っ張って、結構動き回って、そうしたら急に呼吸が苦しくなって……」

「お前は素人か、医者失格だな」

「ああ、自覚してる、真由香が我慢していることに気づいてやれなかった」

「ディズニーランドでデートしたのか」

俺は照れながら「ああ」と答えた。

「そうか」

「真由香はどんな状態なんだ」

「気管腫瘍切除の手術で相当臓器の機能が低下している」