キッチンに向かうと、大我先生は目を丸くして驚きの表情を見せた。

「真由香さん、その格好」

「今日からお世話になります」

「えっ」

「大我先生、結婚するなら私として、お願い」

「ちょっと待って、結婚って俺はまだ決めたわけじゃないから」

「でも、さっきの人はお見合い相手なんでしょ、結婚して病院継ぐって最上先生が言ってたんだもん」

「全く、勝手なことをペラペラと」

「違うの?」

「はじめはそのつもりだったんだけど、真由香さんの時と一緒で彼がいるんだって、やっぱりお父さんから無理矢理お見合いさせられたって」

「本当?」

私は嬉しくて思わず大我先生に抱きついてしまった。

俺はまたしても真由香さんに振り回されているなと感じた。

抱きつかれて、上目遣いでじっと見つめられると、愛おしさが込み上げてきて、どうすることも出来ない気持ちが溢れ出す。

「真由香さん、お父さんにちゃんと言ってきた?」

「ちゃんと、言ってきたよ、大我先生とずっと一緒にいるからもう戻らないよって」