「今すぐ結婚するわけじゃないんだ、真由香は自分の身体を一番に考えろ」

そして、私は採血とレントゲン写真を撮ることになった。

「レントゲンは問題ないな、血液検査の結果は一週間後だ」

「最上先生、心配性なんだから」

「そうだな、でも絶対に無理するな、分かったか」

「はい、はい、じゃあ、最上先生またね」

「おい、そんなに慌てて用事でもあるのか」

「うちに帰って、荷物持って大我先生のマンションに行くの」

「今日は大我は休み取ってるぞ」

「そうなんだ、それならマンションにいるかも」

私は小走りで診察室を後にした。

「おい、走るな」

最上先生の声は私には届かなかった。

総合病院のお嬢さんだかなんだか知らないけど、絶対に大我先生は渡さない。

最上先生の診察が終わって、私は一旦家に戻った。

そして大我先生のマンションに押しかけるべく支度を始めた。

「お父様、病院から戻りました」

「おお、大丈夫だったか」

「はい」

「そうか、それなら良かった」