「特に真由香みたいに十歳も年の差があればなおさらだろう、もう傷つきたくないと自分の気持ちを封印しちゃうんだな」

「だから、私のことも信じられないんだ」

「キスされたなら、責任とってよって迫れ」

大我先生がどう思ってるか不安になった。

あの時は一瞬の出来事だから、やっぱり私とは一緒にいられないなんて思われたらどうしよう。

案の定、大我先生は私に会いにきてくれない。

LINEも送っても未読のまま、返事もくれない。

私はベッドから抜け出し、病院の内科に向かっていた。

傷口がまだ痛む、それにちょっと歩くと呼吸が苦しくなる。

最上先生に安静にしていないと駄目だと釘を刺されていたのに……

でもどうしても大我先生に会いたかった、私の気持ちをちゃんと伝えたかった。
内科はこっちかな。

私は呼吸が急に苦しくなり、その場に倒れた。

「大丈夫ですか」

私はそのままストレッチャーで外科に逆戻りしてしまった。

「どうしたんだ、真由香、まだ安静にしていないと駄目だと言っただろう」