「俺はヤブ医者だな、真由香さんのそんな不安に気づいてあげられなくて」

「そんなことないよ、先生は名医だよ、先生と一緒にいる時、全く症状が出なくて、やっぱり私の思い過ごしだって思えたんだもん」

「そう言うの名医って言わないんだよ、真由香さんの病気に気づけないんだから、医者失格だ」

そして真由香さんは検査検査の毎日を送ることとなった。

検査の結果、気管腫瘍が見つかり、外科に移り、手術を受けることになった。

私は松本真由香、父の願いでお見合いをすることに、そのお見合い相手が日下部大我先生だった。

しばらく前から体調が優れず、不安な毎日を送っていた。

当時付き合っていた彼には私から別れを告げた。

一人になると余計に不安が大きくなり、私は大我先生を頼った。

側にいてほしかった、先生が側にいてくれたなら、万が一の時心配はないと思っていた。

一緒に時を過ごすうちに、どんどん大我先生に惹かれていく自分に気づき始めた。