峻助の実の父親藤ヶ谷琉との出会い、それは……

朝目が覚めると、隣に琉が寝ていた。
どう言う事? 記憶を辿ると、私はとんでもない事をしてしまったと反省する。
でも、もう遅い、相手は藤ヶ谷不動産の御曹司、あ〜、早くこの場を去らなければ・・・

彼の寝顔を見ると、昨夜の出来事が走馬灯のように蘇る。
身体が熱くなり、ドキドキしてきた。
ヤバイ、恥ずかしくて、彼と顔を合わすことなんて出来ない、なんて言われるか、
ガッカリするような事を言われたら、立ち直れない。

三十代の彼が、四十代の私を抱いて、満足するわけがない。
私は急いで服を着て、バッグを持ち、彼のマンションを後にした。

なんてこんなことになったのか、一年前に遡る。
琉と初めて会ったのは、一年前。

でも、私の中では記憶に残らない出来事だった。