「社長、申し訳ありません、緊急の用でご連絡致しました」

スマホの相手は秘書の山元さんだった。

「どうかしたか？」

「来週発売の週刊誌に藤ケ谷不動産藤ヶ谷琉社長の告白記事が掲載されるとの情報を掴みました」

「何？」

「詳しい内容まではわかりませんが、奥様のお腹の子は自分の子供だと、そして奥様とのこれまでの事が掲載されるとの事です」

「止める事は出来ないのか」

「申し訳ありません、記事は出てしまいます」

「そうか、わかった」

「どうなさいますか？」

「記事を読んでから考える」

「かしこまりました」

大変な事態である事は伝わって来た。
峻はスマホを切ってから私をソファに座らせた。

「雫、来週発売の週刊誌に藤ケ谷琉の告白記事が掲載される」

私の脳裏をあることが掠める。
きっとチビちゃんの事だろう。

「チビ助は自分の子供だと告白しているとの事だ」

「すみません、私のことでご迷惑を・・・」

峻は私の言葉を遮りこう言った。

「雫は悪くない、俺が撒いた種だ、雫を利用しようとした罰だな」

峻は私を見つめ抱き寄せた。

「雫、これからは一人で出歩いては駄目だ、週刊誌の記者が張り込んでいるからな」

「わかりました」