「期限はありますか?」

いつまで彼の婚約者の振りをすればいいのか、ちゃんと聞いておかないとって思った。

「無期限だ」

「無期限?」

「だってこれからチビ助生まれてくるのに、雫は働けないだろう?そのうち俺達結婚するから、その覚悟でいろ」

「結婚?」

「そんなに驚くことじゃ無いだろう?」

いやいや驚くことでしょ、結婚って、私の頭の中はパニック寸前だった。

「チビ助に父親必要だろう?」

それはそうだけど、結婚相手に即決出来るほど私に魅力があるとは思えない。
それに血の繋がりが無い子を跡取りにするって、何を考えているんだろうと不思議に思った。

「彼女さんとは結婚しないんですか?」

彼は私の問いかけに不思議そうな表情を見せた。

「彼女はいない、結婚になると振られるんだよな」

うそ?何で?女性は殆どが玉の輿に乗りたいと思っているはず、なのに結婚になると振られるってなんか理由あるのだろうかと不思議だった。

「雫とは契約だから、その心配は無いな」

彼はニッコリ微笑んだ。
そのうち食事が運ばれて、メニューにビックリ!
まるで高級ホテルの食事のような豪華さだった。
多分・・・高級ホテルの食事は経験ないからよくわからないのが本音だ。