峻は産婦人科の定期検診に着いて来てくれた。

「冴木雫さん、診察室へお入りください」

診察室に入り、エコーでチビちゃんの様子を見せて貰った。

「とても元気ですよ、待合室にいるのはご主人様ですか?」

「はい」

「一緒に見ますか?」

どうしよう、峻にとってチビちゃんのエコーなど興味ないかもしれない。

「聞いてみないと・・・」

「待合室のご主人呼んで」

先生は峻を呼ぶように看護師に指示をした。
峻が診察室に入って来た。

「赤ちゃんのエコーです、とても元気ですよ、男の子ですね」

峻は画面に食い入るように見ていた。
そして私の顔を見てこう言った。

「チビ助だったな」

「あ、そうですね」

二人で顔を見合わせて笑った。

先生が注意があると話を始めた。

「奥様は切迫流産になりかけた事がある為、今後子宮の収縮で早産を注意しなければなりません、ご主人様はお若いので、大変かもしれませんが、夫婦の営みはなるべく控えてください」

「わかりました」

彼はチビちゃんの父親として、先生の話を聞いてくれていた。
私は嬉しい反面、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
自分の子供でもないのに、いくら跡取りがほしいからと言って、他の男の子供を妊娠している私と結婚するなんて、誰が想像出来るだろうか。

そう言えば、ある事を伝えると、振られると言っていたが、どんな事だろうか。
とても気になっていたが、彼に確かめる事が出来ずにいた。