「それと、唯香の妊娠報道があるんですが、ご存知でしたか?」

記者は彼の子供を唯香と言うモデルさんが妊娠しているとの事だった。
彼の血の繋がった子供が・・・

「一言頂けないですかね、婚約破棄か唯香の子供を認知か、なんでもいいですよ」

「私はわかりません、そこを退いてください」

記者の男性は退いてくれなかった。
そこへマンションのコンシェルジュ千賀さんが声をかけてくれた。

「雫様、どうされましたか?もうお部屋へお戻り下さい」

そう言って私にマンションへ戻るように促した。

「一言でいいんでお願いしますよ」

記者はしつこく私に付き纏った。

「これ以上、しつこく付き纏うようなら警察に通報しますよ」

コンシェルジュの千賀さんは瞬時に対応してくれた。

「また、来ます、その時は婚約破談か子供を認知かはっきりしますね、楽しみです、では・・・」

記者はそう言ってその場を後にした。

「雫様、大丈夫ですか?」

コンシェルジュの千賀さんは、私を心配してくれた。

「大丈夫です、部屋に戻っていますね」

私はもうここには居られないと思った。
私との契約は解除して、唯香さんと彼の血の繋がった子供と暮らすのが一番いいに決まってる。
私はこのマンションを出る決心を固めた。