「何言ってる、しばらく安静にしてなくちゃ、今度こそ赤ん坊流産するぞ」

私は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
彼は言葉を続けた。

「旦那に連絡しろ、心配してるぞ」

私は小刻みに手が震え、涙が溢れてきた。
チビちゃんにはパパはいない、そのことが責任として重くのしかかってきた。

「どうした?悪りい、きつい事言っちまったか?」

私は首を横に振り下を向いた。

「違うんです、チビちゃんにはパパはいないんです」

彼は不思議そうな顔をして私に尋ねた。

「チビちゃんって赤ん坊のことか?」

私は彼の言葉に頷いた。

「私が考えた呼び名です」

彼はクスッと笑い、私を見つめた。

「チビ助かも」

私もおかしくなりクスッと笑った。

「やっと笑顔になったな、自己紹介まだだったな、俺は冴木コーポレーション社長冴木峻だ」

冴木コーポレーション?確か今急成長している大手の会社だよね。
そこの社長?
私は目を丸くした。

「なんて顔してるんだ、大したことない」

「今急成長している会社じゃないですか?大したことありますよ」

彼は私の言葉に満更でもない表情を見せた。

「ゆっくり身体休めろ、チビ助のために」

私は小刻みに手が震えていた。

「無理です、入院費払えません」

私は声を大にして答えた。
彼は少し考えて私にある提案をした。