「雫、どっちにするんだ」

彼は私の顔を覗き込んで答えを待った。

「冴木さんをソファに寝かせる訳にいかないのでベッドで一緒に寝ます」

私は恥ずかしくて顔が真っ赤になるのを感じた。

「雫は本当にかわいいな」

彼はギュッと私を抱きしめた、そして「雫」と呼ばれて顔を上げた瞬間、彼の唇が私の唇を塞いだ
私は目を閉じて彼のキスをまたしても受け入れてしまった。

そして食事を済ませて荷物を片付けていると、彼が「雫」と私を呼んだ。

「もう遅いから寝るぞ、片付けは明日にしよう」

あ〜っ、遂に来てしまった、どうしよう。
彼は先にベッドに横になっていた、私が部屋に入ると、上半身を起こしベッドの背もたれに寄りかかり、私を招き入れた。

私は目一杯端に身体を横たえた。

「雫、そんなに端に寝たら落ちるぞ、もっと俺の側に寄れ」

彼は私の身体を抱えて、自分の側まで寄せた。
彼の方向へ向きが変わり、またも彼の顔が急接近した。
彼と見つめあって息が苦しい、そのまま彼の腕枕で胸に顔を埋める格好で身動きが取れない。

「これならベッドから落ちる心配はないな、おやすみ」

え〜っ、このまま彼の腕の中で寝るの?
無理だよ、案の定私は一睡も出来ず朝を迎えた。
彼はすやすやと気持ち良さそうに寝ていた。