「はい、これ台本」
ベンチに座ると、隣に座ったあっちゃんから台本を手渡された。
初めての台本。
表紙には『短編映画 約束の花火』とパソコンで打った文字の題名。
十枚ぐらいのA4の紙がホッチキスで止めてあったのだけど、端が揃えられていないのが少し気になった。
パラパラとめくると、あの貼り紙と同じ手書きの文字でびっしりと書かれていた。あっちゃんの文字。全部パソコンで文字を打とうと思っていたのだけど、表紙を作ったら打つのが面倒になり、中を全部手書きにしたらしい。私が貰ったのはそのコピー。
ナツが散歩をしていて、森の中に入ると、木陰で寝ているコウと出会う。なんとなく彼の横に座って、しばらく眺めていたら目を覚まし、いきなり「やっと会えた」と呟かれる。ナツにはその言葉の意味が分からない。それから一緒に過ごすようになり、ふたりは恋に落ちてゆき……。
ラストが気になったので、途中、読み飛ばした。
「一緒に花火を見ようね」と目の前から消えてしまったコウと約束をした事、彼と過ごした温かい日々の記憶を空に浮かび上がる花火と重ね合わせ、涙するハル。
「えっ? めちゃくちゃ良いシーン! でも私、泣いたり出来ないかも」
ベンチに座ると、隣に座ったあっちゃんから台本を手渡された。
初めての台本。
表紙には『短編映画 約束の花火』とパソコンで打った文字の題名。
十枚ぐらいのA4の紙がホッチキスで止めてあったのだけど、端が揃えられていないのが少し気になった。
パラパラとめくると、あの貼り紙と同じ手書きの文字でびっしりと書かれていた。あっちゃんの文字。全部パソコンで文字を打とうと思っていたのだけど、表紙を作ったら打つのが面倒になり、中を全部手書きにしたらしい。私が貰ったのはそのコピー。
ナツが散歩をしていて、森の中に入ると、木陰で寝ているコウと出会う。なんとなく彼の横に座って、しばらく眺めていたら目を覚まし、いきなり「やっと会えた」と呟かれる。ナツにはその言葉の意味が分からない。それから一緒に過ごすようになり、ふたりは恋に落ちてゆき……。
ラストが気になったので、途中、読み飛ばした。
「一緒に花火を見ようね」と目の前から消えてしまったコウと約束をした事、彼と過ごした温かい日々の記憶を空に浮かび上がる花火と重ね合わせ、涙するハル。
「えっ? めちゃくちゃ良いシーン! でも私、泣いたり出来ないかも」