真っ黒な画面。
高くて透き通った声、綺麗なビブラートが印象的な美しい歌声の歌と共にエンドロールが流れてきた。
流れていく名前達。自分の名前が載っているのが嬉しくて、流れてきて消えるまでずっと目で追った。自分の名前しか目に入らなかった。
エンドロールが終わると、台本にはなかった、私の知らないシーンが流れてきた。
映像はセピア色。
線香花火を一緒にしている小さな男の子と女の子の後ろ姿の映像と共にコウのナレーションが流れる。
「ねぇ、君は、覚えている? 十年前、僕がまだ生きていた頃。君は、あの森で、見知らぬ僕と線香花火を一緒にしてくれた。花火をしながら君は言った。『花火大会の打ち上げ花火、見た事ある?』僕は答えた『見た事ない』その時、この打ち上げ花火を一緒に見る約束を、すでにしていたんだよ」
場面は変わり、ラストシーンが撮られた河川敷でひとり空を眺める男の子の後ろ姿。
少しずつ、立ったまま姿が消えてゆく。
打ち上げ花火だけが映る。
文字とコウのナレーション。
「ずっと果たしたかったんだ、この約束を」
END
高くて透き通った声、綺麗なビブラートが印象的な美しい歌声の歌と共にエンドロールが流れてきた。
流れていく名前達。自分の名前が載っているのが嬉しくて、流れてきて消えるまでずっと目で追った。自分の名前しか目に入らなかった。
エンドロールが終わると、台本にはなかった、私の知らないシーンが流れてきた。
映像はセピア色。
線香花火を一緒にしている小さな男の子と女の子の後ろ姿の映像と共にコウのナレーションが流れる。
「ねぇ、君は、覚えている? 十年前、僕がまだ生きていた頃。君は、あの森で、見知らぬ僕と線香花火を一緒にしてくれた。花火をしながら君は言った。『花火大会の打ち上げ花火、見た事ある?』僕は答えた『見た事ない』その時、この打ち上げ花火を一緒に見る約束を、すでにしていたんだよ」
場面は変わり、ラストシーンが撮られた河川敷でひとり空を眺める男の子の後ろ姿。
少しずつ、立ったまま姿が消えてゆく。
打ち上げ花火だけが映る。
文字とコウのナレーション。
「ずっと果たしたかったんだ、この約束を」
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