「結局、また来ちゃった。なんでだろう」

 次の日、再び森を訪れたナツ。

 昨日ふたりが出会った木陰からナツの事を立ちながら見つめているコウ。
 
「来ると思った!」

 コウは微笑む。そしてナツに近づく。
 悩ましげな表情をするナツ。



 それから毎日、森に通うナツ。もちろんコウに会う為に。

 台詞をミュートにした状態で、スローテンポの優しいオルゴールの音が流れる。曲に合わせて、ふたり一緒に花や空を眺めたり、笑い合うアップ……何カットも流れる。段々とふたりの心の距離が近づき、幸せそうな姿。

 その映像に、数秒ごとに何回も、テーブルに置かれているふたりのマグカップのアップが映し出される。少しずつマグカップの距離も近づいてゆく。

 完全にマグカップがふたつくっついた時、曲が止まり、音が戻る。

 ふたりは森の中を歩いて、小川の前で体育座りをした。

「僕、ナツの事が好き」
「……私もコウが好き」

 マグカップみたいに寄り添うふたりの背中が映る。

 ある日、花火大会の話題になる。

「ねぇ、花火、一緒に見に行かない?」
「花火、良いね!」
「八月一日ね! ちょうど一ヶ月後。約束だよ! 絶対に行こうね」