オルゴールの曲が花火映像と共に流れる。
題名がフェードイン。
『約束の花火』
ナツが散歩をしていて、森の中に入る。
背の高い、緑色の葉がぼうぼうと茂っている木が、一本の小道を挟んで左右にずらっと続いている。
空は水色で、雲ひとつない快晴。水の流れる音や、鳥のさえずりが聞こえる。キラキラしている小川や小鳥のアップ。進んでいくと、木陰で木に寄りかかりながら座り、眠っているコウを見つける。ナツはコウの横に座る。しばらく眺めていたら彼が目を覚まし、ふたりは目が合う。
「やっと会えた」
愛しい人を見つめる様に、コウはナツを見る。
「えっ? どういうこと?」
「ううん。何でもない」
「……ねぇ、何でここで眠っていたの?」
「何でかな? ナツに会う為?」
「えっ? 何であなたが私の名前を知っているの?」
「何でかな? あ、僕の名前はコウだよ」
そう言いながらコウは、微笑んだ。
「暑いね! こっちにおいで!」
「え? あ、うん」
ナツは、導かれるようにコウの後をついていく。
周りの景色に馴染みきった、木で造られている小さな小屋に、ナツは案内される。中はシンプル。木の長いテーブルと、その長さに合っているベンチがテーブルを囲み、向かい合わせにふたつ。部屋の様子を警戒しながら観察するナツ。
コウが白くてシンプルなマグカップに500mlペットボトルの水を注ぐ。
「どうぞ、水。この森の湧き水なんだ」
「ありがとう」
マグカップがテーブルに二つ並べられ、コウは座る。ナツは警戒してパッと取り、水を確認すると、入口の近くで立ちながら少しだけ飲んだ。
「美味しい」
ナツが呟く。
「普段は何をしているの?」
「映画が観るの好き」
「どんなジャンル?」
「ホラーが好きかな」
「好きな色は?」
「濃いピンクと黒」
コウが質問して、ナツが答える。しばらく続く。
「また来てね!」
コウが満面の笑みで言った。
「……どうかな?」
ナツはそう言うと小屋から出ていった。
題名がフェードイン。
『約束の花火』
ナツが散歩をしていて、森の中に入る。
背の高い、緑色の葉がぼうぼうと茂っている木が、一本の小道を挟んで左右にずらっと続いている。
空は水色で、雲ひとつない快晴。水の流れる音や、鳥のさえずりが聞こえる。キラキラしている小川や小鳥のアップ。進んでいくと、木陰で木に寄りかかりながら座り、眠っているコウを見つける。ナツはコウの横に座る。しばらく眺めていたら彼が目を覚まし、ふたりは目が合う。
「やっと会えた」
愛しい人を見つめる様に、コウはナツを見る。
「えっ? どういうこと?」
「ううん。何でもない」
「……ねぇ、何でここで眠っていたの?」
「何でかな? ナツに会う為?」
「えっ? 何であなたが私の名前を知っているの?」
「何でかな? あ、僕の名前はコウだよ」
そう言いながらコウは、微笑んだ。
「暑いね! こっちにおいで!」
「え? あ、うん」
ナツは、導かれるようにコウの後をついていく。
周りの景色に馴染みきった、木で造られている小さな小屋に、ナツは案内される。中はシンプル。木の長いテーブルと、その長さに合っているベンチがテーブルを囲み、向かい合わせにふたつ。部屋の様子を警戒しながら観察するナツ。
コウが白くてシンプルなマグカップに500mlペットボトルの水を注ぐ。
「どうぞ、水。この森の湧き水なんだ」
「ありがとう」
マグカップがテーブルに二つ並べられ、コウは座る。ナツは警戒してパッと取り、水を確認すると、入口の近くで立ちながら少しだけ飲んだ。
「美味しい」
ナツが呟く。
「普段は何をしているの?」
「映画が観るの好き」
「どんなジャンル?」
「ホラーが好きかな」
「好きな色は?」
「濃いピンクと黒」
コウが質問して、ナツが答える。しばらく続く。
「また来てね!」
コウが満面の笑みで言った。
「……どうかな?」
ナツはそう言うと小屋から出ていった。