七月下旬。
花火大会の日の打ち合わせをしようと、公園に集まると、希くんと律くんがいて、あっちゃんがなかなか来なかった。
ふたりはうつむいて、しょげている。
「どうしたの?」
彼らは、明らかにいつもと様子が違った。
「あっちゃん、引っ越した。連絡来た」
「はぁ?」
突然希くんが訳の分からない事を言い出した。希くん、大丈夫かな?って気持ちだった。彼の空想だと思っていたその発言は、現実だった。
あれ? 私達、付き合ってるよね? 何も聞いていないのおかしい。何で私、何も知らないの?
「嘘だよね?」
「本当の話」
何回もしつこいくらいにその言葉のやりとりをした。
私は電話をかけてみた。出なかった。メッセージを送っても既読にならないし。とにかく信じられなかった。
「花火大会の日の撮影は、コウの事を思い出すシーンだけだから、あっちゃんいなくても撮影には影響はない。ただ、ナツは大丈夫? あっちゃんいなくても出来そう?」
私に何も言わずに目の前から消えたあっちゃんにイラッとしたし、悲しかった。もう、色んな感情が混ざって、おかしくなりそうだった。
花火大会の日まで何回も電話とメッセージをしても、連絡は取れないし、心配になって来た。
希くん達は引っ越したって事知らされているのに私だけ教えてくれなかった。
私に愛想尽かしたから?
「彼がいなくても私は生きていける。忘れてやる! 嫌い! もうあっちゃんなんか知らない!」
自分にそうやって言い聞かすしか、心を保つ方法はなかった。
花火大会の日の打ち合わせをしようと、公園に集まると、希くんと律くんがいて、あっちゃんがなかなか来なかった。
ふたりはうつむいて、しょげている。
「どうしたの?」
彼らは、明らかにいつもと様子が違った。
「あっちゃん、引っ越した。連絡来た」
「はぁ?」
突然希くんが訳の分からない事を言い出した。希くん、大丈夫かな?って気持ちだった。彼の空想だと思っていたその発言は、現実だった。
あれ? 私達、付き合ってるよね? 何も聞いていないのおかしい。何で私、何も知らないの?
「嘘だよね?」
「本当の話」
何回もしつこいくらいにその言葉のやりとりをした。
私は電話をかけてみた。出なかった。メッセージを送っても既読にならないし。とにかく信じられなかった。
「花火大会の日の撮影は、コウの事を思い出すシーンだけだから、あっちゃんいなくても撮影には影響はない。ただ、ナツは大丈夫? あっちゃんいなくても出来そう?」
私に何も言わずに目の前から消えたあっちゃんにイラッとしたし、悲しかった。もう、色んな感情が混ざって、おかしくなりそうだった。
花火大会の日まで何回も電話とメッセージをしても、連絡は取れないし、心配になって来た。
希くん達は引っ越したって事知らされているのに私だけ教えてくれなかった。
私に愛想尽かしたから?
「彼がいなくても私は生きていける。忘れてやる! 嫌い! もうあっちゃんなんか知らない!」
自分にそうやって言い聞かすしか、心を保つ方法はなかった。