彼が心の隙間を見せてくれるから、私も何かを打ち明けたくなった。
誰にも話した事がなかった、私の夢。
「私ね、前から女優さんに憧れていて、女優さんになりたいって夢が心の中にひっそりと住んでいたんだ。でも東京行かないと活動出来なさそうだし、高校入ったばかりで、東京まで行く交通費もないし。そんな時にヒロイン募集の張り紙を見つけて、ただじっと眺めていたら、タイミング良くあっちゃんが声をかけてくれた」
「やっぱり東京はチャンスが溢れているよね……。俺も、最近までは東京の劇団を辞めて、北海道に戻って、大好きなお芝居が出来なくなるのかなって、実は不安だったんだ」
「そうだったんだ……」
「でもね、今、ここで出来る事は沢山あるよ! 将来身動き取れるって仮定して、今出来る事を、精一杯すれば良いのかなって俺は最近思った。レベルアップする為の本を読んだり、演技の練習したり、急に来るチャンス、いつでも掴めるようにね」
「私、そこまで考えた事なかった。同じ歳なのに、しっかりした考えを持っていて、凄い」
「全然凄くないし。俺は柚葉の方が、描いた夢があって、それが演技の入口になっていて凄いと思う。俺なんて、東京の劇団に入った理由が『仲間が出来てひとりじゃなくなるかも』だからね」
「……」
なんて答えれば良いのか分からずに、黙ってしまった。
「今の聞き流して大丈夫だよ!」
いつも、私の心の中が彼に見透かされる。
誰にも話した事がなかった、私の夢。
「私ね、前から女優さんに憧れていて、女優さんになりたいって夢が心の中にひっそりと住んでいたんだ。でも東京行かないと活動出来なさそうだし、高校入ったばかりで、東京まで行く交通費もないし。そんな時にヒロイン募集の張り紙を見つけて、ただじっと眺めていたら、タイミング良くあっちゃんが声をかけてくれた」
「やっぱり東京はチャンスが溢れているよね……。俺も、最近までは東京の劇団を辞めて、北海道に戻って、大好きなお芝居が出来なくなるのかなって、実は不安だったんだ」
「そうだったんだ……」
「でもね、今、ここで出来る事は沢山あるよ! 将来身動き取れるって仮定して、今出来る事を、精一杯すれば良いのかなって俺は最近思った。レベルアップする為の本を読んだり、演技の練習したり、急に来るチャンス、いつでも掴めるようにね」
「私、そこまで考えた事なかった。同じ歳なのに、しっかりした考えを持っていて、凄い」
「全然凄くないし。俺は柚葉の方が、描いた夢があって、それが演技の入口になっていて凄いと思う。俺なんて、東京の劇団に入った理由が『仲間が出来てひとりじゃなくなるかも』だからね」
「……」
なんて答えれば良いのか分からずに、黙ってしまった。
「今の聞き流して大丈夫だよ!」
いつも、私の心の中が彼に見透かされる。