呆れたように泉さんがそう言うと、ドリーヌ君は首を振った。後ろからニコラさんが現れた。
「マキ、怒ると日本語になるね」
少しフランス語の訛りがあるものの、ニコラさんの日本語はとても流暢だった。彼はそのまま涼に片手をあげて挨拶した。涼とニコラさんも仲がいいのだ。
すると奥の部屋から母が椅子を引っ張り出してきた。
「ごめんね遅くなって。これで全員座れるかな」
私が慌てて母から椅子を受け取って並べ、数分間ばたついた後に全員が落ち着いて席に着いた。
「それじゃあ」
母がかすみ、ドリーヌ君、セリーヌちゃんの目を見渡しながら言った。
「いただきます!」
少し遅い昼下がりに、こどもたちの元気な声がい一杯にひろがり、私達は昼食を食べ始めた。
昼食を食べ終えるとかすみは双子ちゃん達と遊び始めた。父が真ん中でおもちゃにされている。はじめは父もどう相手していいのかわからない、といったようだったが、数分もすると
「がおー!怪獣だぞ」
と叫びながら部屋を走り回っていた。一方ニコラさんと涼は窓際でお酒を飲んでいた。私達は今日、母の家に泊めてもらうことになったのだ。泉さん達は帰るが、電車できたらしくニコラさんもビールをごくごく飲んでいた。一方私と泉さんと母はテーブルでおしゃべりに没頭していた。昔話になった時、私の病気のことや、母の植物状態のことがでたが、もう私たちはそれを穏やかに話すことができた。母が紅茶を飲みながら微笑んだ。
「あの時は本当に苦しかった。誰にも相談できなくて。でも、こうして今こんな風に過ごせるんだもん。私の人生も、捨てたもんじゃない」
泉さんは母の話を聞きながら、何度も頷いていた。私は泉さんが持ってきてくれたケーキを食べながら、母に言った。
「お母さん、昔よく“感謝と謝罪は即発送”って言ってたの覚えてる?」
すると母は声をたてて笑った。
「覚えてるも何も、今も変わってないよ」
そっか、と笑いながら私も紅茶を飲んだ。
「あのね。私もその意味が、今はすごくわかる」
私はかすみや涼や父を見て続けた。
「高校生の時、本当にいろいろあって、色んな人に迷惑かけたし、色んな人に助けてもらった。あの時、心の中では何度も謝ってたし、感謝もしてた。でも、言えてなかった。だから今は、お母さんの言う通り、感謝も謝罪も、すぐに言うようにしてるんだ」
「マキ、怒ると日本語になるね」
少しフランス語の訛りがあるものの、ニコラさんの日本語はとても流暢だった。彼はそのまま涼に片手をあげて挨拶した。涼とニコラさんも仲がいいのだ。
すると奥の部屋から母が椅子を引っ張り出してきた。
「ごめんね遅くなって。これで全員座れるかな」
私が慌てて母から椅子を受け取って並べ、数分間ばたついた後に全員が落ち着いて席に着いた。
「それじゃあ」
母がかすみ、ドリーヌ君、セリーヌちゃんの目を見渡しながら言った。
「いただきます!」
少し遅い昼下がりに、こどもたちの元気な声がい一杯にひろがり、私達は昼食を食べ始めた。
昼食を食べ終えるとかすみは双子ちゃん達と遊び始めた。父が真ん中でおもちゃにされている。はじめは父もどう相手していいのかわからない、といったようだったが、数分もすると
「がおー!怪獣だぞ」
と叫びながら部屋を走り回っていた。一方ニコラさんと涼は窓際でお酒を飲んでいた。私達は今日、母の家に泊めてもらうことになったのだ。泉さん達は帰るが、電車できたらしくニコラさんもビールをごくごく飲んでいた。一方私と泉さんと母はテーブルでおしゃべりに没頭していた。昔話になった時、私の病気のことや、母の植物状態のことがでたが、もう私たちはそれを穏やかに話すことができた。母が紅茶を飲みながら微笑んだ。
「あの時は本当に苦しかった。誰にも相談できなくて。でも、こうして今こんな風に過ごせるんだもん。私の人生も、捨てたもんじゃない」
泉さんは母の話を聞きながら、何度も頷いていた。私は泉さんが持ってきてくれたケーキを食べながら、母に言った。
「お母さん、昔よく“感謝と謝罪は即発送”って言ってたの覚えてる?」
すると母は声をたてて笑った。
「覚えてるも何も、今も変わってないよ」
そっか、と笑いながら私も紅茶を飲んだ。
「あのね。私もその意味が、今はすごくわかる」
私はかすみや涼や父を見て続けた。
「高校生の時、本当にいろいろあって、色んな人に迷惑かけたし、色んな人に助けてもらった。あの時、心の中では何度も謝ってたし、感謝もしてた。でも、言えてなかった。だから今は、お母さんの言う通り、感謝も謝罪も、すぐに言うようにしてるんだ」
