春が来た。
もう何年続けたか分からないほど【いつも通り】私は朝早く起きて、そして、皆の朝ごはんを作る。これは、私の日常だ。
3人分のご飯を作り終えた私は。なんとなく、テレビをつけた。流れてきたのは朝のニュース番組で、今人気のアナウンサーが神妙な顔でニュースを告げる。
【自殺者急増中】
画面に大きく出ているのはその言葉。カラフルに彩られた画面には、3つの事件が映し出されていた。
【上司のパワハラが若い命を奪う!】
一つ目、テレビ一面を使って映し出されたテロップ。ふと私は鈴香さんが見ていたニュースを思い出した。・・・そういえば、画面にこんな事が書いてあったっけ。
「大手企業で発覚したパワハラ問題。奪われたのは新入社員の女性の命でした。事件が発覚したのは先週・・・。」
どこかで聞いたことあるような文章をアナウンサーは淡々と読み上げる。
「被害者は・・・」
パッ、と画面が変わって、映し出されたのは眩しいほどの笑顔でピースを作っている女の人だった。
いつも早起きしても台所で寝ちゃうし、
彼氏の話するとすぐ怒るし、
拓海さんとは喧嘩してばっかりだし。
・・・でも。何度彼女のその笑顔に励まされた事だろう。
「…今井鈴香さんです。」
不思議と怖さはなかった。バラバラになったパズルのピースがはまっていく、そんな感覚で。
【学校いじめ隠蔽。担任耐えられず !】
また画面が移り変わって、2つ目のテロップが表示される。映し出された中学校の写真は、何度も見たことがあった。
「冬頃にいじめを苦に自殺した中学生。学校側は担任がいじめの事実を認識していなかったと会見していましたが、その担任が自ら命を絶ってしまった事で新たな事実が・・・」
映し出された写真。その写真にうつる男の人は、目を細めて眩しそうに笑っていた。
・・・教師になった理由を語っていた時もこんな表情をしていたなあ、なんてぼんやりと思い出した。
「高島拓海さん。」
口は悪いし、
いつも人をからかってばっかだし、
でも、いつも誰よりも皆の事を考えていた。
ひときしり私をからかった後に、彼はいつも優しく笑う。そんな笑顔が大好きだった。
3つ目のテロップが映る。
【女子高生、しつけと言う名の家庭内暴力!】
「先日海で発見された女子高生の悲しすぎる家庭内の実情が明らかになってきました。幼い頃父親から暴力で支配されていたという彼女は・・・」
そう伝えるアナウンサーの顔があまりにも硬いから、思わず笑ってしまいそうになった。ああ、そういう事だったのか。これから何が画面に映るのか、だいたい予想はつく。
不思議と、怖くはなかった。画面が移り変わって、正面に映し出されたのは。
「水原奈月さん。」
紛れも無い、私の顔だった。
パズルの最後の一欠片が、ぱちん、とはまる。それを感じた途端急に襲ってきた眠気。その眠気に任せて目を閉じれば、また夢を見た。風邪をひいたときに毎日見ていた、葛木荘に初めて来た時の夢。そうだ、私を見て驚いた顔をした要は、不意に笑って。
__ああ、そうだ。やっと思い出せた。
『・・・奈月、久しぶり。』
泣きそうな笑顔で、そう呟いたんだっけなあ。
もう何年続けたか分からないほど【いつも通り】私は朝早く起きて、そして、皆の朝ごはんを作る。これは、私の日常だ。
3人分のご飯を作り終えた私は。なんとなく、テレビをつけた。流れてきたのは朝のニュース番組で、今人気のアナウンサーが神妙な顔でニュースを告げる。
【自殺者急増中】
画面に大きく出ているのはその言葉。カラフルに彩られた画面には、3つの事件が映し出されていた。
【上司のパワハラが若い命を奪う!】
一つ目、テレビ一面を使って映し出されたテロップ。ふと私は鈴香さんが見ていたニュースを思い出した。・・・そういえば、画面にこんな事が書いてあったっけ。
「大手企業で発覚したパワハラ問題。奪われたのは新入社員の女性の命でした。事件が発覚したのは先週・・・。」
どこかで聞いたことあるような文章をアナウンサーは淡々と読み上げる。
「被害者は・・・」
パッ、と画面が変わって、映し出されたのは眩しいほどの笑顔でピースを作っている女の人だった。
いつも早起きしても台所で寝ちゃうし、
彼氏の話するとすぐ怒るし、
拓海さんとは喧嘩してばっかりだし。
・・・でも。何度彼女のその笑顔に励まされた事だろう。
「…今井鈴香さんです。」
不思議と怖さはなかった。バラバラになったパズルのピースがはまっていく、そんな感覚で。
【学校いじめ隠蔽。担任耐えられず !】
また画面が移り変わって、2つ目のテロップが表示される。映し出された中学校の写真は、何度も見たことがあった。
「冬頃にいじめを苦に自殺した中学生。学校側は担任がいじめの事実を認識していなかったと会見していましたが、その担任が自ら命を絶ってしまった事で新たな事実が・・・」
映し出された写真。その写真にうつる男の人は、目を細めて眩しそうに笑っていた。
・・・教師になった理由を語っていた時もこんな表情をしていたなあ、なんてぼんやりと思い出した。
「高島拓海さん。」
口は悪いし、
いつも人をからかってばっかだし、
でも、いつも誰よりも皆の事を考えていた。
ひときしり私をからかった後に、彼はいつも優しく笑う。そんな笑顔が大好きだった。
3つ目のテロップが映る。
【女子高生、しつけと言う名の家庭内暴力!】
「先日海で発見された女子高生の悲しすぎる家庭内の実情が明らかになってきました。幼い頃父親から暴力で支配されていたという彼女は・・・」
そう伝えるアナウンサーの顔があまりにも硬いから、思わず笑ってしまいそうになった。ああ、そういう事だったのか。これから何が画面に映るのか、だいたい予想はつく。
不思議と、怖くはなかった。画面が移り変わって、正面に映し出されたのは。
「水原奈月さん。」
紛れも無い、私の顔だった。
パズルの最後の一欠片が、ぱちん、とはまる。それを感じた途端急に襲ってきた眠気。その眠気に任せて目を閉じれば、また夢を見た。風邪をひいたときに毎日見ていた、葛木荘に初めて来た時の夢。そうだ、私を見て驚いた顔をした要は、不意に笑って。
__ああ、そうだ。やっと思い出せた。
『・・・奈月、久しぶり。』
泣きそうな笑顔で、そう呟いたんだっけなあ。

