辺りが白く染まっている。
歩くたびに雪が固まる音がして、冬が来た、と強く実感した。
「雪!雪だ!!」
いつもの通学路、はしゃいで雪を踏みまくる私を見て要が笑う。
「なんだよ子供かよ。」
「うるさいな!もう今年は雪降らないのかと思った。」
「それはないだろ。」
要には一瞬で否定されたが、別にこれは大袈裟な言い回しではない。なんせクリスマスまであと数日の今日。今日まで寒い日はあったものの雪が降る気配は全くなく。テレビでも今年は初雪が遅すぎる、と何度か取り上げられていたのだ。
「奈月!要くん!おはよう!!」
「・・・嘘だろ。」
散々子供だのなんのと要に馬鹿にされながらの登校。しかし学校に着いたらそんな要のからかいも止んで。彼ははあ、とため息をつく。
「はやく!こっち!雪合戦やろう!」
笑顔で神谷くんが私と要を手招きする。朝にも関わらず、校庭で雪玉を投げ合っていたのは千里と神谷くん。端の方では由香ちゃんと横山くんが2人で雪だるまを作っていた、なにあれ可愛い。
「・・・お前ら何歳だよ・・・。」
「ほら、みんな雪降ったらテンション上がるんだよ。」
「いや普通に考えて朝は寒いだ・・・っおい!」
「当たった!?」
突然飛んで来た雪玉は要の背中にクリーンヒット。犯人はもちろん神谷くん。それで火がついたのだろうか。あれだけ渋っていたのに着けていた手袋を速攻で外して雪玉を作り始め、神谷くんの方へと走って行った。
周りを見れば、私達以外にも雪で遊んでいる人たちは多くいて、受験間近の3年生の姿もある。勉強ばっかでストレスが溜まっているのだろうか、雪玉の硬さとスピードが半端じゃない。恐ろしすぎる。
「うはっ!?」
バホッと急に大きな音がして視界が暗くなった。少し経ってから顔に冷たさを感じて、雪玉が顔面に当たったんだと気づく。前方から聞こえてきた笑い声。間違いない、笑っている奴が犯人だ。
「・・・要、許さん。」
「ぼーっとしてる奈月が悪い!!」
「カナメ、ユルサン。」
「なんで片言!?・・・あれ、ガチで怒ってる?」
半笑いで私の赤くなった鼻をつつくから、要を絶対雪に埋めてやろう、と決心した。
結局そのあと始業ギリギリまで雪で遊んだ私達は、教室をビチョビチョにしてしまい、先生からお叱りを受けたのだった。
「寒くなってきたねえ・・・。」
「ほんとに。」
風が冷たくて、両手をさすりながら歩く帰り道。要も手に息を吹きかけながら歩いていて、その指先は赤い。雪が降った途端急に寒さが増した気がする。
「っわ!」
要と他愛もない会話をしながら歩いていれば、突然体に衝撃を感じる。要が支えてくれたから私は転ばずに済んだのだが、ぶつかってきたその子はバランスを崩してしまって。
「大丈夫!?」
慌てて駆けよれば、制服に身を包んだその女の子は「すみません!」と立ち上がり、俯いたままその場から走り出そうとする。その目に光っていたのは、涙?
「ぶつかっちゃってすみません。大丈夫です。」
そうだけ謝って、私たちの方を見ることなくその子はそのまま駆け出してしまった。黙って要と目を合わせる。転んで泣いていた訳ではないだろう。何かあったのだろうか。そんな私たちの疑問はすぐ解決されて。
「・・・あ、あれ。」
そう呟いた要が見つめるその先にあるのは、小さな公園。そこには先ほどの女の子と同じデザインの制服に身を包んだ男の子が立ちすくんでいた。無意識のうちに男の子を見つめてしまっていた私。目が合ってしまい、彼は少し驚いた顔をする。
「えっと・・・何か?」
「あ、ごめんなさい。・・・さっき女の子とすれ違って。」
その言葉だけで理解したのだろう。ああ、と呟いた男の子は、困ったように笑った。
歩くたびに雪が固まる音がして、冬が来た、と強く実感した。
「雪!雪だ!!」
いつもの通学路、はしゃいで雪を踏みまくる私を見て要が笑う。
「なんだよ子供かよ。」
「うるさいな!もう今年は雪降らないのかと思った。」
「それはないだろ。」
要には一瞬で否定されたが、別にこれは大袈裟な言い回しではない。なんせクリスマスまであと数日の今日。今日まで寒い日はあったものの雪が降る気配は全くなく。テレビでも今年は初雪が遅すぎる、と何度か取り上げられていたのだ。
「奈月!要くん!おはよう!!」
「・・・嘘だろ。」
散々子供だのなんのと要に馬鹿にされながらの登校。しかし学校に着いたらそんな要のからかいも止んで。彼ははあ、とため息をつく。
「はやく!こっち!雪合戦やろう!」
笑顔で神谷くんが私と要を手招きする。朝にも関わらず、校庭で雪玉を投げ合っていたのは千里と神谷くん。端の方では由香ちゃんと横山くんが2人で雪だるまを作っていた、なにあれ可愛い。
「・・・お前ら何歳だよ・・・。」
「ほら、みんな雪降ったらテンション上がるんだよ。」
「いや普通に考えて朝は寒いだ・・・っおい!」
「当たった!?」
突然飛んで来た雪玉は要の背中にクリーンヒット。犯人はもちろん神谷くん。それで火がついたのだろうか。あれだけ渋っていたのに着けていた手袋を速攻で外して雪玉を作り始め、神谷くんの方へと走って行った。
周りを見れば、私達以外にも雪で遊んでいる人たちは多くいて、受験間近の3年生の姿もある。勉強ばっかでストレスが溜まっているのだろうか、雪玉の硬さとスピードが半端じゃない。恐ろしすぎる。
「うはっ!?」
バホッと急に大きな音がして視界が暗くなった。少し経ってから顔に冷たさを感じて、雪玉が顔面に当たったんだと気づく。前方から聞こえてきた笑い声。間違いない、笑っている奴が犯人だ。
「・・・要、許さん。」
「ぼーっとしてる奈月が悪い!!」
「カナメ、ユルサン。」
「なんで片言!?・・・あれ、ガチで怒ってる?」
半笑いで私の赤くなった鼻をつつくから、要を絶対雪に埋めてやろう、と決心した。
結局そのあと始業ギリギリまで雪で遊んだ私達は、教室をビチョビチョにしてしまい、先生からお叱りを受けたのだった。
「寒くなってきたねえ・・・。」
「ほんとに。」
風が冷たくて、両手をさすりながら歩く帰り道。要も手に息を吹きかけながら歩いていて、その指先は赤い。雪が降った途端急に寒さが増した気がする。
「っわ!」
要と他愛もない会話をしながら歩いていれば、突然体に衝撃を感じる。要が支えてくれたから私は転ばずに済んだのだが、ぶつかってきたその子はバランスを崩してしまって。
「大丈夫!?」
慌てて駆けよれば、制服に身を包んだその女の子は「すみません!」と立ち上がり、俯いたままその場から走り出そうとする。その目に光っていたのは、涙?
「ぶつかっちゃってすみません。大丈夫です。」
そうだけ謝って、私たちの方を見ることなくその子はそのまま駆け出してしまった。黙って要と目を合わせる。転んで泣いていた訳ではないだろう。何かあったのだろうか。そんな私たちの疑問はすぐ解決されて。
「・・・あ、あれ。」
そう呟いた要が見つめるその先にあるのは、小さな公園。そこには先ほどの女の子と同じデザインの制服に身を包んだ男の子が立ちすくんでいた。無意識のうちに男の子を見つめてしまっていた私。目が合ってしまい、彼は少し驚いた顔をする。
「えっと・・・何か?」
「あ、ごめんなさい。・・・さっき女の子とすれ違って。」
その言葉だけで理解したのだろう。ああ、と呟いた男の子は、困ったように笑った。

