階段を下り終われば、そこには重たそうなドアが一つ。ポニーテールの女性がそのドアを開ければ、すぐに聞こえてきたのはサックスの音。
「あ、丁度始まった所ですね。」
そういって彼女は微笑んで、私と拓海さんを1つのテーブルに案内する。テーブル席とカウンターの席があって、壁際にはおしゃれなお酒のボトルや紅茶の瓶、雑貨が並んでいる。
お店の奥の方に小さなステージが設置されていて、入った瞬間に聞こえたサックスの音色はそこから聞こえてきていた。
今まで楽器を弾いた経験なんて全然ない。もちろんジャズの事も全く分からない。しかしそんな私が聞いても、とても素敵だと感じる演奏だった。
心地よい音楽に耳を傾けながら視線をさまよわせれば、ステージでは4人ほどの男女が演奏を行っていた。サックスを吹いているのは40代くらいの男性、ギターを弾いているのは背の高い眼鏡の男性で、ドラムを叩くのは髪の短い女性、ピアノを弾くのは私と同い年くらいの男の子。・・・って。
「横山くん!?」
思わず大声を出してしまって拓海さんからデコピンを食らう。・・・痛い。私のおでこがへこんだら拓海さんのせいだからね。なんて心の中で文句を言いながらもう一度ステージを見る。
間違いない、あれはやっぱり横山くんだ。頭の中でたくさんの疑問が浮かんできたが、気付けばそれも忘れて演奏に集中してしまっていた。
「ありがとうございましたー!」
演奏が終わりそろって礼をする4人に、私も精一杯の拍手をする。横山くんもペコリと礼をして、そして顔を上げて。私と目が、合う。
「・・・奈月ちゃん!?なんで!?」
「・・・えへ。」
私と拓海さんを交互に見て、横山くんは驚いたように目をしばたかせた。
「あ、丁度始まった所ですね。」
そういって彼女は微笑んで、私と拓海さんを1つのテーブルに案内する。テーブル席とカウンターの席があって、壁際にはおしゃれなお酒のボトルや紅茶の瓶、雑貨が並んでいる。
お店の奥の方に小さなステージが設置されていて、入った瞬間に聞こえたサックスの音色はそこから聞こえてきていた。
今まで楽器を弾いた経験なんて全然ない。もちろんジャズの事も全く分からない。しかしそんな私が聞いても、とても素敵だと感じる演奏だった。
心地よい音楽に耳を傾けながら視線をさまよわせれば、ステージでは4人ほどの男女が演奏を行っていた。サックスを吹いているのは40代くらいの男性、ギターを弾いているのは背の高い眼鏡の男性で、ドラムを叩くのは髪の短い女性、ピアノを弾くのは私と同い年くらいの男の子。・・・って。
「横山くん!?」
思わず大声を出してしまって拓海さんからデコピンを食らう。・・・痛い。私のおでこがへこんだら拓海さんのせいだからね。なんて心の中で文句を言いながらもう一度ステージを見る。
間違いない、あれはやっぱり横山くんだ。頭の中でたくさんの疑問が浮かんできたが、気付けばそれも忘れて演奏に集中してしまっていた。
「ありがとうございましたー!」
演奏が終わりそろって礼をする4人に、私も精一杯の拍手をする。横山くんもペコリと礼をして、そして顔を上げて。私と目が、合う。
「・・・奈月ちゃん!?なんで!?」
「・・・えへ。」
私と拓海さんを交互に見て、横山くんは驚いたように目をしばたかせた。

