「俺に謝ってどうするんだよ、謝るのは美希ちゃんにだろ、モデルとの不倫騒動といい、妹みたいなご令嬢といい、美希ちゃん、もうお前の側にいられないって言いかねないな」

「脅かすなよ」

「今は安静が第一だからな、誤解を解くのは退院してからだな」

俺は美希の病室へ向かった。

美希は眠っていた。

俺は美希の側で美希の手を握り、一緒に帰ろうと呟いた。

次の日、東條が病院へやって来た。

「社長、奥様は大丈夫ですか」

「切迫流産は免れた、落ち着くまで入院だそうだ」

「そうですか、しばらく、奥様の側にいてあげてください」

「すまん、よろしく頼む」

俺は病室に戻った。

「蓮さん」

美希が目を覚まして、俺の名前を呼んだ。

「美希、大丈夫か」

「私はどうしたんですか、赤ちゃんは無事ですか」

「大丈夫だ、切迫流産になりかけたが、無事だったぞ、俺達の子供だからな、そう簡単にいなくならないよ」

美希の目には涙が溢れていた。