「蓮さん、おかえりなさい」

「大丈夫か」

美希はちょっと顔色が良くないと感じた。

「東條に報告したら、ビックリしてたよ、でも喜んでくれてる、それから商店街の人達もおめでとうって言ってくれてたよ、つわりが落ち着いたら挨拶に行こうな」

「はい」

「おかず、代金いいからと貰ってきたよ、食べられそうか」

美希は身体を起こし、キッチンに移動してテーブルに腰を下ろした。

「少しだけ頂きます」

美希は既につわりが始まり、症状は重い感じだった。

美希に笑顔が無い。

俺はなるべく仕事を早く切り上げ、マンションへ急いだ。

休みの日、今日は気分がいいとの事で、商店街に行ってみることにした。

「美希ちゃん、おめでとう、つわりはどうだい」

商店街の八百屋のご主人が声をかけてくれた。

「ありがとうございます、ちょっとだけ大変です、でもいつも蓮さんが一緒にいてくれるので、嬉しいです」

「そうかい、それはよかった」