「それはこっちのセリフだよ、親父さんの葬儀にまで呼んで貰って、ありがとうな」

「これからも美希がお世話になると思いますので、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく」


それからしばらく平穏な日々が流れた。

私は生理が遅れていることに気づいた。

いつものように夜、彼は私をベッドに運ぶ。

熱いキスから始まる抱擁、私はもし、妊娠していたら、この先の行為は流産に繋がるのではと不安になった。

「蓮さん、あのう、待ってください」

「ん?どうした?」

「あのう、生理が遅れてて、妊娠の可能性があるので」

彼は私をじっと見つめていた。

「蓮さん?」

私は彼の表情に不安を隠しきれずにいた。

子供は欲しくないのかな、と不安が過ぎる。

次に瞬間、彼は満面の笑みになり、私を抱き上げた。

「美希、やったな、すぐ病院へ行こう」

彼は出かける支度を始めた。

「蓮さん、今は夜なので、産婦人科の外来は終わってます、明日いきましょう」