東條さんは照れているのか、どうしていいか困った表情を見せた。

彼の病室へ戻ると、彼は私の顔を見て安心した表情を見せた。

「美希、大丈夫か、俺が心配かけたからだな」

「いいえ、私が東條さんの言うこと聞かなかったからです、だから蓮さんもちゃんと東條さんの言うこと聞いてください」

「分かった、これからはそうすることにしよう」

「東條さんはご結婚されないのですかね」

「さあ、どうなんだろうな、親父の代からの付き合いだが、女の影ないなあ」

「うちには可愛らしい女性がいるんじゃないですか」

そこへ東條さんが現れた。

「おっ、本人登場だな」

「私の噂でもしていたのですか?」

「あ?っ、お前の女の話だ」

「残念ながら、おりません」

東條さんはチラッと私を見て答えた。

「お前、まさか美希に気があるのか」

東條さんは慌てて私から目線を外し答えた。

「そんなことありません、あっいやない事もないです、あっ……」

「お前わかりやすいな、美希に手を出すなよ」