微かに彼の手が動いたような気がした。

「ちょっと動いたよね、蓮さん、蓮さん」

ギュッと手を握る、すると、握り返してくれた。

しばらくして彼は目を覚ました。

「美希?大丈夫か」

「蓮さん、よかった、目が覚めなかったらどうしようかと思いました」

「俺は大丈夫だ、美希が無事でよかった」

「でも私のせいで蓮さんが怪我をしてしまいました、ごめんなさい」

「俺はいいんだ、美希を守れなければ俺の存在意義はない」

「蓮さん、なんでそこまで私のために……」

「決まってるだろ、俺は美希を愛してる、約束しただろう、何があっても一生お前を守るって」

彼と見つめあって、そしてキスをした。

何故あの時東條さんがいたのかわからなかった、そして彼に尋ねた。

「蓮さん、あの時何故東條さんは私達の側にいたのですか」

「俺が頼んだんだ、絶対にあいつはまた来ると思ったから、俺達の側で待機してくれと、そしてSPの手配も頼んだ、まさかナイフで美希の命を狙うとは想定外だったけどな」