元彼はSPによってすぐ取り押さえられ、すぐさま救急車の手配をしたのは東條さんだった。

「社長、しっかりしてください、すぐ救急車来ますから」

「美希、大丈夫か」

彼は自分が大変な状況にも関わらず、パニック寸前の私を気遣った。

「蓮さん、蓮さん、死んじゃイヤ」

「大丈夫だ、俺約束しただろ、俺の命と引き換えても美希を守るって」

「蓮さん、私を一人にしないで」

「東條、美希を頼む」

「かしこまりました」

彼は意識を失った。

「蓮、蓮?ん、イヤ?あ」


彼は手術をして、一命を取り止めた。

彼が目を覚ますまで、片時も彼の側を離れなかった。

「手術は成功しました、奥様、お部屋をご用意いたしますので、少し仮眠をお取りください」

「大丈夫です、ここにいます」

彼のことが心配で彼の側を離れることは出来なかった、私のせいで彼は手術をしなければいけない怪我を負った。蓮さんごめんなさい、ごめんなさい。

彼は中々目を覚まさなかった。