「俺の言うことに、これから嘘偽りなく答えろ、いいな」

「はい」

「俺を好きか?」

「はい、好きです」

「あいつにまだ惚れてるか」

「あの人とのことは十年前に終わっています」

「あいつを好きか聞いている」

「好きじゃありません」

「なんであいつはよくて、俺は拒否された」

「それは……」

「理由があるなら言ってみろ」

私は大きく深呼吸をして話し始めた。

「あの人と別れた理由は、あの人に私と身体の相性が悪い、満足出来ないって言われたからです、だから恋愛に臆病になって、十年間一人でいました。
蓮さんに好きって言ってもらって、キスしてくれたり、抱きしめてくれたりと行為が進むに連れてまた同じこと言われたらどうしようって心配になりました。
蓮さんに嫌われたくなかったんです」

そこまで言うと、涙が溢れて言葉にならなかった
彼は「もういいから」と、そう言って抱きしめてくれた。
私の頬を伝う涙にキスをして、唇にもキスをしてくれた。