しかし社員になったが、美希を目の前にしておあずけ状態になり、社長を目指し、勉強のためアメリカへ渡米。

結局美希の存在を知ってからなんと三年の月日が流れたのである。

やっとの思いで美希と結婚出来たのに、美希の心は俺にはなかったなんてショックは計り知れない。

でも美希はいつも気遣い優しい言葉をかけてくれる。

俺はその言葉に甘えていていいのだろうか。

最近は自分の仕事部屋の椅子で寝ている。

美希とベッドを共にしたら、美希を抱きたくなる。

美希とキスもしていない。

どうしたらいいんだ、この溢れんばかりの美希に対する気持ちを……





俺は美希と商店街に足を運んで、初めて気付かされた。

親父がなぜこの場所のビル建築を先延ばしにしていたのか。

この商店街を守りたかったからなんだと、商店街の人々がこの場所で今まで通り商売が出来るように、何か良い手立てはないか考えていたんだと思った。

「親父はこの商店街が好きだったみたいだな」