ある日、買い物に出かけた先で元彼に会った。
十年ぶりの再会である。

「美希、久しぶり、十年ぶりかな」

声をかけてきたのは、元彼の飛鷹 劉だった。
劉は十年経っても相変わらずかっこいい、当時のことが走馬灯のように甦る。

「時間あるならちょっとお茶しない?」

お茶くらいならいいよね。

「うん、ちょっとなら」

劉は私の左手の薬指の指輪に気づき

「結婚したの?」

「うん」

私も劉の左手を確認すると指輪はしていなかった

「劉は結婚は?」

「美希と別れてから誰とも付き合ってない、美希と別れて後悔したよ」

思いがけない言葉に動揺を隠せない、私と別れて後悔したなんて……

「美希、もう一度やり直せないかな、俺たち」

「何を言ってるの?もう遅いよ、私結婚しちゃったし」

「ご主人、鏑木建設社長だろ」

「なんで知ってるの?」

「テレビ中継見てびっくりしたよ、美希すげえ綺麗だったから、十年経ってるとは思えなかった、あいつと別れて、やり直そう」

「そんな気ないから」