彼を信じようと何度も自分に言い聞かせて、頭に現れる妄想と闘っていた。

ある日、彼のマンションに誘われて、泊まることになった。

夕食の買い物を済ませて、彼とマンションまでの道のりを、手を繋いで歩いた。

この幸せがずっと続きますようにと願った。

マンションに着いて、食事の支度をする。

キッチンに向かっている私の背中から、彼の大きな腕が私を包み込む。

首筋に熱い彼の吐息がかかる。

私は思わず声が漏れた。

「美希、感じた?色っぽい声だ、なんか俺、興奮して来ちゃったな」

彼の方に向かされて、見つめ合った。

彼の唇が私の唇を塞ぐ。

身体が熱くなるのを感じて、頭がぼーっとしてきた。

そのまま、抱き抱えられて、ベッドルームへ運ばれた。

二十八にもなって初めてなんて言えないけど、でもどうすればいいかわからなかった。

「劉、あのう、私初めてなの」

「マジで?」

彼は喜ぶのではなく、面倒くさいような表情を浮かべた。