「お互い様です、RHマイナスの人は大変ですから」

「はじめはお礼を言いたくて探した、びっくりしたよ、親父の会社の社員だったから。
あの頃俺は親父に反発ばかりして、会社は絶対継がないって言ってたんだ、だから二十三歳になってもバイトの生活だった。
そんな時バイクで事故起こして、俺の人生終わったって思った」

私は彼の話に耳を傾けていた。

「目が覚めたとき、あの世かと思ったよ、でも生きてるってわかって、輸血のこと聞いてめっちゃ美希に感謝した。

美希を探し当てた時親父に言われた、今の状態で名乗り出るんじゃないって、それから勉強してこの会社の採用試験受けた。

でも落ちまくってやっと受かって、総務にいたの気づかなかった?」

「そうだったんですか、全然気づきませんでした」


また彼は話を始めた。



「あの頃俺美希のストーカーだったな」

「えっ」

「どんな人なんだろう?彼氏いるのかな?何に興味あるんだろうと考えていたら、毎日美希のことばかり考えていた。