バイクに乗っていた男性は投げ出され、頭を強く打ちつけた。

私は思わずきゃあ?っと声を上げて、顔を覆った。

辺りは騒然となり、私はその男性の元に駆け寄った。

「大丈夫ですか」
男性は顔をしかめて返事をしなかった。

すぐに救急車がやって来た。

男性は救急車に運び込まれた。

「一緒に乗ってください」

えっ?私?関係ないんだけど、救急隊員に言われるまま救急車に乗り込んだ。

男性は苦しそうな表情を見せていた。

私は思わず男性の手を握った。

そうすると、少しだけ苦しそうな表情が和らいだように見えた。

病院へ到着すると、男性は処置室へ運ばれた。

「ご家族の方はここでお待ちください」

「あのう、違うんですけど……」

「あっ、失礼致しました、でもその場にいらした方ですよね、少しお待ち頂けますか」

「はい」

それから人の動きが慌ただしくなり、騒ついてきた。

「輸血パックが足りません」

「RHマイナスですか」

私はこの時役に立てると思った。