「はい、藤城美希さんです、社長がご挨拶したいとの事で、お待ちいただく様にお願いしたんですが、すぐに病室を後にしてしまわれたんです」

「調べたか」

「はい、驚きの結果が出ました」

俺はどんな結果が出たのか興味深々だった。

「我が社の社員でした」

俺はその結果に驚き固まった。

そこへ鏑木建設会社社長が病室へやって来た。

「蓮、大丈夫か、いつまでもふらふらしているから自業自得だぞ」

「親父!」

「事故現場に居合わせて、お前に付き添い、輸血を申し出てくれた命の恩人は、我が社の経理部に勤務している藤城美希さんだ、我が社に十三年間勤務してくれている優秀な社員だ」

「俺が親父の息子だって知ってて助けてくれたのか」

「いや、伏せてある、恥ずかしくて言えない」

俺は怒りを露わにした。

「いいか、お前はこれから我が社の社員として働いて貰う、そして、社長を目指せ」

「俺は親父の会社は継がないと言っただろう」

親父は大きなため息をついた。