「急にそんな事言われても信じられません、私社長よりひと回りも年上です、からかうのはやめてください」

「からかってなんかいない、愛を語る上で年の差は関係ないだろう、どうしたら信じてもらえるんだ」

彼はドアの向こうで必死に私を口説いている。

「今日はお引き取りください」

「駄目だ、このままじゃ帰れない、俺のマンションに行って話しよう」

彼はずっとドアの向こうで叫んでいる、これでは隣人に何を言われるかわからない、彼は黙って帰ってはくれないだろう。苦肉の策でドアの鍵を開けて、彼を部屋に招き入れた。

ドアを開けると、彼が目の前に立っていた。

「中に入ってください、ご近所迷惑ですから」

彼はすぐに私の部屋に入り、抱き寄せた。

「誰にも渡したくない、俺を好きになってくれ」

急な社長の言動に戸惑いを隠せなかった。

「社長、明日出社いたしますので、今日は帰っていただきたいのですが・・・」

「絶対だぞ、来なかったらまた迎えにくる」