「麗子、リハビリ行くときは、俺も仕事を休むから車で一緒に行くぞ」

「楓、無理しなくても大丈夫よ、私一人で行けるわ」

「何言ってるんだ、また事故に遭ったらどうするんだ、麗子が心配で仕方がない」

「ありがとう、楓、じゃあお言葉に甘えてお願いしようかな」

「ああ、そうしてくれ」

俺はこんなにも麗子の存在が愛おしいなんて、自分の気持ちに驚いている。

俺と麗子は今までベッドは別だった。

しかし、退院して間もなく、麗子が恥ずかしそうに俺に囁いた。

「今晩から楓のベッドで一緒に寝てもいい?」

それが何を意味するのか、俺にはわかっていた。

「赤ちゃんが欲しいです」と言っていた麗子。

俺もそろそろ、家族を増やす事も視野に入れないといけないと考えていた。

麗子を素直に純粋に抱きたいと思った。

今までは、美希ちゃんとどうこうなれるとは思ってはいなかったが、麗子を抱きたいと言う気持ちにはなれなかった。

この日の夜、俺は麗子を抱いた。