「凄いですね、望月さんは子供が好きなんですね」

「いや、弟達の面倒をよく見ていたからな、蓮だって自分の子供なんだからあやしてくれるだろう?」

美希はちょっと表情が曇った。

「蓮はあやしてくれないのか」

「蓮さんが抱っこすると余計に泣いちゃって、すぐ私に渡しちゃうんです」

「あいつは一人っ子だから苦労知らないからな、あっ、お互いに苦労するな」

「望月さんといると安心します」

美希はニッコリ微笑んで望月を見つめた。
しばらくの間沈黙になり、望月も美希を見つめた。

「そんな事言われると奪いたくなる」

二人は見つめ合った。

その時、望月が抱っこしていた蓮也が、泣き出した。

望月はハッと我にかえった。

「やべえ、蓮也に怒られた」

望月はあははと笑い、望月の言葉に美希もふふっと笑った。

「美希ちゃん、蓮を愛しているか」

「はい、愛しています」

「即答かよ」

「望月さんも麗子さんを愛していますよね」

「俺は……」

望月が言葉を探していると、蓮也が泣き出した。