「バカ言ってるんじゃねえ、そんな事出来るか」

「冗談だよ、冗談」

「それで、よく麗子お嬢さん、いや奥さんはお前に靡いたな?」

「おい、俺の実力舐めんなよ」

「悪い悪い、それで」

望月は麗子との馴れ初めを語り始めた。

「お前と麗子の事を聞いて、美希ちゃんが心配になった、だから初めは蓮を諦めるように麗子を説得しようと思って近づいた」

俺は望月の話を黙って聞いていた。

「麗子を呼び出して、初めて会った時、なんてわがままなお嬢さんだとビックリした、
俺の周りには居ないタイプだったよ」

「そりゃそうだ、超がつくほどのお嬢さんだからな、この世の中、自分の言う事は全部通ると思っているからな」

「全くだよ、麗子に蓮を諦めろって言ったんだ、そしたら、なんで私が諦めないといけませんの?って言いやがった」

「あいつの辞書に諦めるって言葉はないからな」

それから望月と麗子は何回か会うことになった。

「なんですの、私は蓮様一筋で生きてきたんです、今更相手を変えるなんて出来ません」