「いや、もう相談にも乗れないし、食事も出来ないと伝えに来た」

「どう言う事ですか」

「俺は美希と結婚した、もうすぐ父親になる、美希が嫌だと言う事はしないと誓った
だから、お前とはもう会えない」

「蓮様とは兄弟同然の付き合いをしてきました、可愛い妹を切り離すのですか」

「お前が俺を恋愛対象として見ている限り、悪いが、会う事は出来ない、
お互い自分の会社を継いで行く立場だ、お前もその気になれ」

「蓮様、わかりました、でも私は諦めませんよ」

「麗子、いい男見つけろ」

俺は麗子の元を去った。

それから、平穏な日々が流れ、美希は臨月を迎えた。

「蓮さん、大丈夫でしょうか、すごく不安です」

「大丈夫だ、俺と美希の子供だ、あっという間に出てくるよ」

「散歩に行くか」

美希は嬉しそうに頷いた。

季節は春を迎えようとしていた。

「もうすぐ、桜の季節ですね、その頃この子は産まれてきますね」

「そうだな、名前を考えないとな」

「男の子なら蓮也、女の子ならさくらはどうですか」