私を気遣ってくれたのはこのマンションのコンシェルジュ佐藤さんである。

「申し訳ありません」

「お部屋にお戻りになってお休みください」

私の家出はあっという間に終わった。

俺はコンシェルジュ佐藤から連絡を受けた。

「鏑木様、美希様がお戻りになりました」

「そうか、すぐに戻る」

俺はマンションに戻った。

コンシェルジュ佐藤が出迎えてくれた。

「鏑木様、お帰りなさいませ」

「連絡感謝する」

「とんでもございません」



俺は美希が待つ部屋へ急ぐ。

「美希、美希、どこだ」

「蓮さん」

美希が寝室から出てきた。

俺は美希の姿を確認すると、思わず抱き締めた。

「美希」

「蓮さん、ごめんなさい、わたし……」

俺は美希を抱きしめ、頬を両手で包み、唇を塞いだ。

俺と美希は見つめ合った。

「望月に連絡しないと、今頃あいつ死物狂いで美希を探してるからな」

俺は望月のスマホに連絡した。

「美希ちゃん、見つかったか」