「美希ちゃんを慰めろって神様が言ってるんじゃないか」

「神様?」

私は望月さんが神様だなんて言葉を使う事に意外だと感じた。

「えっ?意外?」

「はい」

「これでも毎朝神様を祈ってるよ、美希ちゃんが蓮じゃなく、俺を好きになってくれって」

望月さんの言葉にポカンと口を空けてしまった。

「なんて顔してるの、俺が美希ちゃんに惚れたら、おかしいかな」

「おかしいんじゃなくてあり得ませんよ」

「どうして?」

「どうしてって」

私は返事に困った、多分泣いている私を和ませる為なんだろうけど、こんな時なんて返せばいいか、この年代の人はよくわからない。

「あっ、大変な事忘れてました、救急車で病院まで運んで頂いてありがとうございました」

「ああ、大丈夫、よかったな、何事もなくて……」

「はい」

沈黙になった、何話せばいいの?

その時望月さんは廊下に蓮さんの気配を感じて、私のベッドに腰を下ろし、私の手を握った。

「美希ちゃん」