俺は鏑木蓮、鏑木建設会社の御曹司である。

親の脛をかじり、何も考えずに遊んでばかりいた。

親父の会社は継ぎたくないと、バイトの日々を送っていた。

そんな俺に喝を入れるかの出来事が起こった。

バイクで事故を起こし、意識不明の重体に陥った。

しかも俺はRHマイナスの血液型で、普段から親父に懇々と言われていた。

事故を起こして、輸血が必要な状態は避けなければいけないと……

俺は輸血が必要なくらいの重症だった。

しかもたまたまRHマイナスの輸血パックが足りないと言う事態に陥った。

俺の命もここまでかと思った矢先、輸血を申し出てくれた人物がいた。

俺の命の恩人、藤城美希だ。

俺は目が覚めたとき、俺の顔を覗き込んでいたのは東條だった。

「蓮様、大丈夫ですか」

「ここはあの世か?」

「いいえ、蓮様は助かりました」

そう答えてくれたのは親父の秘書である東條だった。

まだ、頭がぼーっとする。

身体中も痛くて堪らない。